「eえほんプロジェクト」とは
「eえほんプロジェクト」では、デジタル絵本制作(eえほん賞)と読み聞かせ会を行っています。


eえほん賞
デジタル絵本制作はコンペティション形式で実施し、最優秀賞・優秀賞・奨励賞の3作品(作品数によっては佳作も追加)が選出されます。
なお選出された作品は読み聞かせ会用の絵本としても使用されます。
読み聞かせ会
読み聞かせ会は近隣の小学校で低学年向けに開催されます。
静岡文化芸術大学の学生が読み手となり、iPadを用いて絵本の読み聞かせをします。
読み聞かせ後にはワークショップも開かれます。
ワークショップでは読み聞かせ作品のシールを用い、オリジナルの絵ハガキを作ってもらいます。
「eえほんプロジェクト」発足の経緯
「eえほんプロジェクト」は、「デジタル絵本の受容に関する分析」を行う目的で、かわ研究室と株式会社アスタワンによって2016年に立ち上げられたプロジェクトです。
なお2018年からは、デジタル絵本アプリ「SideBooks」を使用し、中野研究室(静岡文化芸術大学)との合同プロジェクトとして絵本の閲覧とワークショップを継続しています。
「デジタル絵本の受容に関する分析」
本研究は株式会社アスタワン開発のデジタル絵本アプリ「えほんダス」を使用し、デジタル絵本による読み聞かせの効果を検証するために行われました。
①読み聞かせと黙読の比較、②付録による効果の二つの視点から分析され、以下のような結果が出ています。
①読み聞かせと黙読の比較
ある2冊の絵本の読み聞かせと黙読を行い、絵本に対する理解や意識に差が生じるか分析しました。

全般に、読み聞かせの方が集中して内容を理解できたとの回答が得られました(上図)。
小学3年生は黙読の方が理解できたと回答した生徒数が優位でしたが、国語学習の影響によるものでしょう。
②付録による効果
「はるのきざし」「とっておきのパンケーキ」の2冊の絵本の読み聞かせを行った後、それぞれの絵本のシール、白いハガキ、マーカーを使用してオリジナルの絵ハガキを作ってもらい、絵本に対する好感度の変化を分析しました。


結果、小学2年生に対して、付録をつけることで絵本の好感度が変化しました(上図)。
「はるのきざし」は少々難易度が高いストーリーであったため、付録によって好感度が高まったグループが見受けられました。
比較的難易度の高い絵本やネガティブなストーリーの絵本は、付録をつけることで好感度が高まる可能性があります。
[たちばな]