絵本の読み聞かせ

■浜松市立東小学校の学童クラブにて、「光害(こうがい)」をテーマにしたオリジナル絵本の読み聞かせを行いました。大学院でのデザイン研究の一環として、紙とデジタルの絵本がどう受容されるか、比較検証するための活動です。

■ 光害(こうがい)ってなに?

光害とは、本来必要のない人工の光が、自然や人の暮らしに悪い影響を与えてしまう現象のことです。たとえば、夜でも空が明るくて星が見えづらくなったり、強い街灯のせいで生き物たちの行動が変わってしまったりします。

ウミガメの赤ちゃんは月明かりをたよりに海を目指しますが、陸の光に引き寄せられてしまうことがあります。渡り鳥が夜のビルの光にぶつかってしまったり、ホタルが強い照明の中では相手を見つけにくくなったりすることもあります。

■読み聞かせの際には,はじめに紙の絵本を読み、その後はモニターを使ってデジタル絵本を読みました。登場するのは、夜眠れない女の子と、お星さま、そして夜の街に現れる吸血鬼たち。デジタル版にはアニメーションや「まちがいさがし」などのミニゲームが組み込まれており、子どもたちは順番に楽しそうに操作しながら体験していました。

最後に実施したアンケートでは、「ぐっすりねられるから、あかりはけしたい」「デジタルのほうが内容がよくわかった」などの声が多く寄せられました。47名の児童のうち、72.9%が「暗い方がよく眠れる」と回答し、約半数が「デジタル絵本の方がわかりやすい」と感じたことも印象的でした。
今回は1作品でしたが、さらに制作が進んだら、また読み聞かせ会を開催したいと思っています!


[オウ ウテイ]
>かわこうせい 研究室

かわこうせい 研究室

静岡文化芸術大学にて、ビジュアルで物語る「ナラティブ・デザイン」を研究しています。 絵本やイラストなど描くデザインを核に、グラフィックやファッション、インスタレーションから人工知能までバラエティに富んだ分野で活動しています。

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